ここはかつて「D2」として、ある時代を象徴する場所として、多くの人に愛されてきました。
この場所に流れていた時間や空気を、途切れさせず、今のかたちへ整え直すところから、Dears.は始まりました。
この場所は、はじめからDears.だったわけではありません。
たくさんの時間と、人の気配と、言葉にしきれない空気が積み重なっていた場所でした。
「もう一度、整えよう。」
そう決めたところから、Dears.の時間は、静かに動き始めます。

整え直す前の、この場所の全景。
まず行ったのは、すべてを壊すことではありませんでした。
残すもの、外すもの、守るもの。
この場所の骨組みを見極めながら、土台から整えていく作業が続きます。

天井や柱など、見えなくなる部分から整えていきました。
この場所の中心になるのが、バックバーです。
会話が生まれ、視線が交わり、空気が変わる場所。
この空間の“心臓”として、最初に完成形を思い描いたのがここでした。

バックバー施工中の様子。

完成したバックバー。
以前この場所で使われていたカウンター。
形を整え直しながら、空気ごと引き継いでいます。
“残すべきものは残す”という判断が、この場所の基礎になりました。

引き継いだカウンターを整えていく工程。

完成したカウンター。
奥には、「小上がり」と呼んでいる場所があります。
オープンとクローズのあいだとなる、
少しだけ距離感を自由に調整できる席です。
ふたりで静かに過ごしたいときも、
数人で自由に過ごしたいときも、
人目を少し気にしたいときも、
そのときの気分や空気に合わせて、ご自身に使い方を決めてもらえる場所になっています。

小上がり施工中。

完成した小上がり。
日常と、この場所の時間を切り替えるための境界。
外の自分と、ここにいる自分を切り替えるための場所です。

ロッカーは、この場所に入るための“切り替え”として整えました。
派手ではありませんが、ここが“ただの建物ではない”ことを静かに知らせる灯りです。

入口のネオン。
そして、この場所はここに辿り着きました。
並んだ四つの椅子は、この場所が「居場所」として整ったことの、ひとつのかたちです。
ここに座る時間が、この場所のこれからを、少しずつつくっていきます。

完成したカウンター席。